認定眼鏡士のいる眼鏡店で眼鏡をつくった話

きっかけ

最初のきっかけは、2018年、湘南ワークショップに参加した時のこと。

食事のとき、私の隣にいた方が、なぜか私に向かって熱弁してくるんです。
「この眼鏡は最高だ!」と。
「この眼鏡は、この間、○○という眼鏡屋さんでつくってもらったんだけれど、すごくいい。普通の眼鏡じゃない。眼の前の景色がガラッと変わったし、体調を整えてくれるんだ…」などと、こちらが聞いてもいないのに、その眼鏡店のこだわりを、色々と話してくれたのです。

その時は「へぇ、そんな面白い眼鏡屋さんがあるとは」と、あまり気に留めませんでしたが、なぜか、ずっと、心のどこかで引っ掛かっていました。

2つ目のきっかけは、身近な友人がその眼鏡店で、眼鏡をつくってもらった、というお話を聞いたこと。
直接会う機会があったので、お話を聞いてみると、普通の眼鏡とは見方がちがうとか、立体的に見えるとか、検査をものすごくじっくりとやる、とか。
目に負担がかからないようにレンズを調整している、という話が印象的で。

ところで、私は緑内障を患っています。かなり初期の段階なので、自覚症状はほとんどないし、目薬での治療も何もしていません(経過観察中)。緑内障の原因はいろいろあると思いますが、私の場合は遺伝による可能性が高いと言われています。

手持ちの眼鏡をかけていると、(しかもつけたり外したり、を頻繁にやっていたので)だんだんと疲れを感じるようになっていて、病気の進行を遅らせるためにも、目に負担のかからない生活をしたい、と思い、おすすめされた店で眼鏡をつくってもらうことにしました。

目の使い方は、感じる力に通じる

眼鏡屋さんへ行き、そこで1時間くらいかけて、じっくりと目の検査を行ってもらいました。そして合わせてもらったレンズで、外の景色を見たとき、真っ先に感じたのは

「特に何も感じない」でした。
今まで使っていた眼鏡とどこが違うのか、分かりません。

友人知人から「今まで使っていた眼鏡とは見え方がちょっと違うよ」と言われていたので、どんな感じなのか、気になっていたのですが…。

それをそのまま、眼鏡士さんに伝えたら、
「見る力が弱っているのでは?」とのこと。

奥に焦点を合わせつつ、横の広がりを感じながら、全体を捉えるように見るとどうでしょう?とアドバイスをもらって、そのとおりにしたら、

あれ?目の前の景色が、なんだか立体的に見える。
草木や、お店の前を通る車までも、生き生きとして見える。

その後、これまで使っていた眼鏡をかけると、これまで感じていた立体感はどこへやら。まるで、のっぺりとした平面図を見ているかのよう。

私は今まで一体、何を見て、何を感じていたのだろう。

そういえば、湘南ワークショップでも、同じようなことがあったことを思い出した。
マインドフルネス状態に入り、
自分が幼少期に呼んでもらった愛称で呼んでもらう、というワークでの出来事。
嬉しくて笑顔になったり、怖くなって泣き出したり…など、さまざまな反応があった人が多い中、私は「何も感じない」だったのです。

感じる力は、目で見る力に通じているのかもしれない。

人は、感じることをやめてしまったら、目の前の景色を、目をめいっぱい広げて見ようと思わないのかもしれない。目を使わないようにしたら、入ってくる情報も限られるから、感じ方も変わる。それが行き過ぎると、自分の感覚すら分からなくなってしまうかもしれない。

今回購入したのは、普段用とデスクワーク用の2本。普段用はフチなしめがね、デスクワーク用はリムのデザインが特徴的なものを選びました

新しい眼鏡をつかってからの生活の変化

先日、ようやく出来上がった眼鏡を受け取りました。

最初はなかなか慣れませんでしたが、だんだんと見え方の違いを楽しめるようになってきました。奥行きを感じる景色を感じられるのが楽しく、自然と窓の外をよく見るようになりました。

そして、1週間ほどかけ続けていたら、今では「眼鏡をかけていたほうがラク」と心底思えるようになりました。

今までは眼鏡をかけなくても夕方には目の疲れを感じていたのですが、新しい眼鏡をかけ続けていると、夜になっても全然疲れを感じません。眼鏡をかけていたほうが、明らかに疲れないのです。不思議です。

これは日常のパフォーマンスにも大きく影響していると感じます。

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