娘の成長につれて、育児が少し楽になった頃から、趣味の手芸を再開した。赤ちゃん服や自分の服、布小物を作っている。
洋服も小物も、完成までの工程は意外と多い。材料を揃える。型紙を起こす。生地を水通しする。型紙に沿って生地を裁断する。ミシンをかける。ボタンをつける‥等々
それぞれの工程が順調に進み、初めてモノが完成する。
ポカミスを繰り返してしまう自分が大嫌いだった
さて、表題の話に戻ろう。
私は小学生の頃から、ポカミス(うっかりミス)をしてしまう自分が大嫌いであった。気をつけていないと、うっかり間違いを犯してしまう、そんな自分がとっても嫌だった。
自分がうっかりした結果、余計に時間を取られたり、他人に何か言われたりするのが嫌で嫌でしょうがなかった。
それで、ポカミスをなるべく起こさないように行動するようになった。勢いで行動しない。周囲の人たちに確認してから行動する。
事前準備が煩雑なことは、確認することが多いからか、面倒になり、知らず知らずのうちに避けるようになった。
嫌なことが含まれる「好きなこと」から遠ざかってきた
私はその頃から手芸が好きだったのだが、工程がたくさんある分、ポカミスが起こる確率が高くなる。
だからこそ、気をつけて、ひとつひとつの工程を慎重に進めていく必要がある。そうでないと、出来上がりに大きな差が生じる。
それでも、うっかり間違いをよくしてしまう。先程の、大嫌いな「ポカミスを繰り返す自分」にたくさん遭遇する。
何かを作ることが好きなはずなのに、自分の嫌いなところに向き合わないといけない。それが辛くて、自然と遠ざかってしまった。
嫌なことと、とことん向き合ってみたら
大きくなって働くようになり、仕事もプライベートもようやく落ち着いてきた頃、手芸教室に通うことにした。
何度も間違えたり、ポカミスが発生する。そのたびに心が折れそうになった。自分の嫌いと向き合う時間は、とても辛かった。
でも先生が相談に乗ってくれたり、手芸仲間が見ていてくれるから、辛抱強く最後までやり遂げることができた。自分ひとりでやっていたら、途中で諦めてしまっていただろう。
その後、一人でも手づくりをするようになったが、最後までやり遂げられるようになった。先程の「自分の嫌いを乗り越えて出来た」経験は、私の心を強くしてくれた。
さいごに
好きなことの中に嫌いなことが含まれると、それを楽しめなくなってしまうのが嫌で、遠ざかってしまったのかもしれない。
好きなことをやっているのに、「嫌だ」という感情を味わいたくないし。
自分の好きなことは何なのか、ずっと分からなかったのだが、嫌いという感情に目を向けてみると、そこには意外なことに「好き」が隠れていた。