私は最近まで「お金がない、ない」と常々思っていた。
給料は安いほうだし、稼いだお金は出ていく一方・・・・・・・
しかし、夫はそんな私の姿を見て、こう言い放った。
「お金はある」
現状は億万長者ではないけれど、じゅうぶん生活していけるだけの収入はある、ということだ。
思い返せば、私は学生時代、もっとお金がなかった。
親元を離れて学業に専念していたので、大部分を親からの仕送りに頼っていた。
食料品を買うときには10円でも安いものを買っていたし、果物はほとんど買えなかった。
その頃に比べれば、今は食料品にはお金を使えている。
そう思うだけで、十分豊かな気持ちになれるなぁと、今晩のごはんを作りながら感じたのだ。
夫は必要なもの以外はお金を使わない。どちらかというと倹約家である。
その姿を見ているから、「お金はある」と言われたとき、びっくりしたのだ。
お金とは豊かさである。お金を使わなくとも、心がじゅうぶんに豊かであれば、それだけで十分である。
私は夫から、とても大切なことを教えてもらっている。